‘英文契約書情報’

契約言語

国際契約では、当然言語が異なる者同士が当事者になります。そこで契約書をどの言語で記載するかをあらかじめ決めておく必要があります。実務上は国際ビジネス共通語として用いられることの多い英語が契約言語として用いられることになります。
しかし、諸般の事情から、複数の言語で契約書を作成することもあります。
例えば、2つの言語で契約書が作成されたからといっても、契約の成立自体に問題が生じる訳ではありませんし、法的効力に直接影響はありませんが、いくらそれぞれの言語で作成された契約書の内容が同一になるように配慮したとしても、言語の語句が意味する概念には違いがあること、同様な表現でもそれぞれの文化の違いから、その語句の意味の解釈に違いが生じることなどから、まったく同じ内容の契約書とするには限界があります。また、契約書の内容の法律的な概念も、それぞれの言語の法律を元に作成されていますので、ここでも解釈の違いが生じます。これらの解釈の違いによって争いとなることを避けるため、契約書は1つの言語のみで作成するべきであると言えます。 (さらに…)

不可抗力(Force Majeure)

自然災害などが発生すると、取引が履行できなくなったり、取引の履行が送れたり、一部の取引しか履行できないなどさまざまなトラブルが発生します。
そのような事態が発生するたびに当事者同士で協議することは、事実上不可能ですから、一般的にはこのような不測の事態を処理する不可抗力(Force Majeure)条項を定めておいて、不履行の責任を免除することになります。 (さらに…)

競合商品取引

販売店契約などでは、独占的に一定の地域や国の販売を任せる条項を定めることがあります。この場合、販売店の契約上の義務として、販売地域内で競合他社商品と類似品の取り扱い禁止が課せられることがあります。
もしこのような競合取引禁止を課さない場合には、販売業者は制約なしに事由に他社商品を扱うことができ、その結果、商品の販売が思うように成果が出ない場合もあります。
このような状況にならないためにも、競合取引の禁止条項を定めておくことが必要になります。
ただし、国ごとの独占禁止法などの競争制限禁止法に違反することも考えられるので、しっかりと調べておくことが必要です。 (さらに…)

残存条項(survival clause)

残存条項とは、契約期間満了または契約違反等で終結すると契約は当然に効力を失います。しかし、実際は契約がなくなったとしても当事者間で一定の制約や義務を課すことがどうしても必要になってきます。
例えば、現在取引している商品等の支払に影響を受けたり、契約に際して、提供した技術商法や営業情報などの秘密が保持されないという状況は避けなければなりません。
このようなことを守るため、残存条項を設けて一部の権利義務を契約終結後も有効に存続させておく必要があります。 (さらに…)

契約通貨

貿易取引の最重要要素として、取引価格、決済(支払)通貨、為替リスクの処理があります。これらの重要な取引条件は、取引開始までに明確になっているのが通例です。
「個々の注文書で価格は明確にする」という曖昧な合意をしてしまうことがあります。 (さらに…)

署名権限者

日本においては肩書きを有する役員は、権限を持っていると判断されるのが一般的で、会社法にも表見代理という制度があることから、あまり深く署名権限者について考えられていません。
しかし、外国企業、特に米国企業については副社長(Vice President)の肩書きを有する社員は少なくありません。契約書の準拠法が日本法であれば、どのような職責に対してその肩書きを与えているかによって、表見代理も成立する余地はありますが、当然に相手方に契約締結の権限を有していたということを主張することが難しい場合も考えられます。たとえ副社長であっても契約書署名権限を有していないケースも考えられるからです。特に重大な契約については署名権限があるかどうかの確認と、署名権限が無ければ委任状の提出を求めた方がよいでしょう。

 

覚書(Memorandum)

覚書も、法的拘束力がないと明記されていない限り、法的拘束力があります。
Memorandom,Memorandum of Understanding,MOU,Letter of Intent,LOI などのタイトルの覚書がよくあります。その内容の中に、「This Memorandum is not legally binding.(本覚書には法的拘束力がない)」と表記されていれば法的拘束力はありませんが、この規定がない場合には、相手方が条文の基づいて履行請求してくることも予想されます。また訴えられることもあり得ます。 (さらに…)

署名について

契約書末尾には、署名欄を設けます。契約書に署名することによって、その署名者が契約上の拘束力を受けることになります。署名する権限を会社から与えられていない担当者が署名すると、その担当者個人が責任を負うことになります。日本法では、そのような場合でも、表見代理という制度でカバーされるのでっ会社が責任を負うこともありますが、国によってはそのような表見代理の制度自体がない場合もあります。
ですから、実務上は会社の法定代理権を有する代表取締役や、社内の決裁において代表取締役から署名権限を委任された会社の幹部が署名するのが一般的です。この場合は委任状を添付します。

個別性(Severability)

契約の条項が法令や法令の改正により、部分的に影響を受けて、取引が履行できない状況になることがあります。このような場合に、影響を受けた一部の条項を除いてその他の条項は有効に適用し、取引の安全を図ることになります。さらに、影響を受けた部分に関しては、契約当事者が相談の上、修正し、影響を排除することになります。 (さらに…)

完全合意及び修正(Entire Agreement and Amendment)

完全合意(Entire Agreement)は、日本ではなじみのない規定になりますが、これは英文契約独特の条項で、契約が締結されるまでの契約当事者間で行われたさまざまな合意は、すべてこの契約に集約されて合意され、契約締結までの合意は無効であるという条項です。
この規定により、今まで打ち合わせし合意してきた内容は、契約締結でもれなく合意されたことになります。さらに言えば、契約後に「あの時はこのように言って合意した」といったことを主張されてもこの条項により無効となります。 (さらに…)

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