スマートフォンアプリ制作契約書について
スマートフォンアプリ制作について、契約書は特に注意すべきことが多くあります。
それは、スマートフォンは変化が激しく、開発を請け負ったのはいいが、予告もなくOSのバージョンアップが行われたときや、アプリを公開するためには審査もあること。それに管理する会社は別にあり、その会社から世論や方向性の違いなどから一度審査が通ったが、突如削除されるなどの恐れもあることなど、あらかじめ決めておかなければならないことが数多くあります。
スマートフォン市場は急速に拡大していますから多くのビジネスチャンスはありますが、その分リスクも大きい商品となるのです。
じっくりと打ち合わせを重ね、お互いの認識をあわせておく必要があります。
これは制作側と発注者側の情報格差が大きく、制作側からすれば大変な作業も発注者側からすればそこまでかからないだろうという認識の違いなどがありますから、あらかじめ出した見積り金額を大幅に越えるケースもあり、トラブルの原因になることも・・・ホームページ制作業務請負契約とは違い、制作側が思っているよりもずっと情報格差、技術格差が大きいことを認識し、何度も打ち合わせをして、発注者側にわかるような仕様書を添付するようにしましょう。
また特に価格が上がる項目や別料金になる項目は、しっかりと契約書上に明記しておきましょう。
例えば・・・
- Xperia,IS03初代は別料金
- CPU 1GHzに満たない機種は別料金
- AndoroidOS2.1以下は別料金
- AndroidOS2.1とAndoroid4.0両対応は別料金発生
- iPhone3G,iPod touch 3rd以下対応は別料金
- カメラ機能の端末ごとに、動作は保証するが、それ以外の不具合対応は別料金
- 横画面完全対応は別料金 など
これらは発注者には当然のように思えても、制作側からすれば大きな問題となり得ることですから、しっかりと説明し、料金が発生するように契約書を作成しておきましょう。
急速なバージョンアップがあるため注意が必要です!
ホームページやシステムと違い、OSのバージョンアップも多いため、「このiPhoneでこのiOSに対応し、その動作不具合について保証する。」や「Android2.3の動作を保証し、Android2.3.xについては保守契約を締結することにより動作保証の対象となる。ただし、当該OS以外のバージョンアップ等があった場合には、動作保証対象外とし、発注者側より別途検証費用等の支払がある場合には、当該検証後動作保証の対象となることがある。」など、はっきりと特定できる端末やOSでの保証を契約書上ではっきりとうたっておかないとトラブルの元になります。
もちろん発注者側にも十分理解させることが必要になります。
さらに・・・
事前によく打ち合わせをして双方ともアプリ機能について納得していたとしても、実際に公開してから利用者側から見ると欠陥があることや不具合などがレビューなどにより発覚することもあります。
審査前のテスト確認等をしっかりとし、双方とも納得した形で公開したにもかかわらず、このようなことになるのは、利用者側と発注者側それに制作側との認識の違いや情報格差もあるからです。発注者側からすれば、制作側のミスのように思えます。
しかし、制作側も発注者側も予期できないことであれば、どちらが費用負担するのかもあらかじめ契約書上で決めておいた方がよいでしょう。
まとめ
スマートフォンアプリ制作については、毎週のように問い合わせがあります。
スマートフォン市場拡大により、多くのビジネスチャンスを秘めていますが、まだ導入期であるため、OSのバージョンアップ頻度も安定せず、あらかじめ予期できないことが多いです。
制作を依頼したのはいいが、バージョンアップがあり、それに対応するのに何十万かかると言われたなどや対応して欲しい端末が多く、制作費が多くかかった、納期がかかりすぎるなど発注者側のクレームが多いと思います。
じっくりと打ち合わせをし、発注者側と制作側の認識を一致させてからアプリ制作にかかった方がよいと思います。
実際に、アプリ制作については、業者価格も安いところから高いところまでさまざまですが、なぜその価格なのか、どこまで対応するのかなど発注者側に十分な理解とトラブルとならないように、しっかりとした契約書を締結するようにしましょう。