‘英文契約書情報’
サイン証明認証手続
契約書には日本のように印鑑を押すという習慣はないことが多いため、署名をすることになります。ここで問題となるのは「その本人が本当に署名したのか」ということです。
署名が本人であるかは、公証役場での認証や商工会議所におけるサイン証明があります。 (さらに…)
署名権限者
契約書については、それぞれの会社の代表である代表取締役社長やCEOなどといった肩書きで署名をするのですが、海外との取引の場合、その海外の法律によって、それらの肩書きがある方の署名であっても、契約締結できる権限があるかどうかを確認する必要があります。
日本では商業登記簿謄本により、代表者は確認できますし、会社法によって表見代理という制度もあります。しかし、英米法系の会社組織では、代表取締役という制度がないし、CEO,Managing,Director,Presidentなど様々な肩書きがあるため、その肩書きだけ信じていると契約締結する権限のない者と契約をしてしまうリスクがあります。
英文契約書で収入印紙が必要な場合
収入印紙が必要ないのは、外国の会社と契約書の作成や締結のために、その外国に行き、そこで規約を締結署名した場合や日本で契約書を作成し、署名した上で、外国の相手の会社に契約書を送付し、その外国の会社が署名し契約が成立した場合です。
なお、外国の相手方当事者が契約書を作成し、その契約書をもって日本で両当事者が契約を締結、署名した場合、または外国の当事者が作成署名後、日本の会社へ契約書を送付し、日本においてその契約書を署名して契約が成立した場合は日本国内で印紙税の課税対象となります。 (さらに…)
外国との契約書と印紙税
外国との契約書では、印紙税はその契約書がどこで作成、署名されたかで判断されます。日本で作成署名された場合には、日本で契約成立したのですから、印紙税の課税対象になります。 (さらに…)
インコタームズにおける買主と売主の役割
運送手配 | 保険手配 | 仕出地の 輸入通関 |
仕向地の 輸入通関 |
仕向地の 荷卸費用 |
|
EXW | 買主 | 買主 | 買主 | 買主 | 買主 |
FCA | 買主 | 買主 | 売主 | 買主 | 買主 |
CPT | 売主 | 買主 | 売主 | 買主 | 買主 |
CIP | 売主 | 売主※ | 売主 | 買主 | 買主 |
DAT | 売主 | 売主 | 売主 | 買主 | 売主 |
DAP | 売主 | 売主 | 売主 | 買主 | 買主 |
DDP | 売主 | 売主 | 売主 | 売主 | 買主 |
FAS | 買主 | 買主 | 売主 | 買主 | 買主 |
FOB | 買主 | 買主 | 売主 | 買主 | 買主 |
CFR | 売主 | 買主 | 売主 | 買主 | 買主 |
CIF | 売主 | 売主※ | 売主 | 買主 | 買主 |
※CIPとCIFは危険負担は買主に移転しているが、売主が海上保険を手配する。
インコタームズ(Incotermes)諸条件
インコタームズの諸条件をわかりやすく図にしてみました。
インコタームズ(Incotermes)とは
インコタームズ(International Commercial Terms)とは、国際取引での売主と買主の製品売買で基本的な条件である製品の引渡場所、輸送時の保険や費用の負担、引渡しまでの危険負担について売主または買主のどちらが責任と費用を負担するのか定めたものです。
このインコタームズは、国家間の条約ではなく、国際商業会議所(ICC)という国際的な組織がインコタームズ諸条件をまとめており、破ったとしても罰則はなく、任意の契約になります。 (さらに…)
ウィーン動産売買条約について
これは国際的な物品の売買契約に適用される私法条約です。
本条約の適用は、日本法を準拠法賭した場合やウィーン動産売買条約を締結している国の法律を準拠法とした場合に適用されます。
また、この条約を締結していない国との契約であってもこの条約が適用されることもあります。
ただし、個人による売買や株式、労働供給などについては適用されません。
なお、ウィーン動産売買条約は、売買契約の成立と売買契約から発生する権利について規定されているものですから、契約自体の有効性や売買の対象物についての権利については適用されません。
この条約は当事者は合意によってその適用を排除することができます。
適用排除の文例としては、
This Agreement shall not be governed by the United Nations Convention on Contracts for International Sale of Goods,the application of which is expressly excluded. (さらに…)
国際契約の裁判と仲裁
海外との取引においてトラブルが発生した時に、その解決方法をどのようにするかは判断が難しいかと思います。
裁判にするのか仲裁にするのか・・・
仲裁の方が簡単でその実効性も高いという訳でもないですから、契約内容によって決めていくとよいでしょう。 (さらに…)
国際契約書作成、締結について
契約書の作成や契約締結について、もっとも重要なのはその証拠能力にあると言えます。
ですから、いかにリスクを的確に予測できるか、取引目的達成のために必要である規律をどこまで定めておけるか、実際に実行可能な紛争処理についての手段とルールを定めておけるかが重要になります。
国際契約締結についてこれだけは確認しておこう
- あいまいな表現やあいまいな部分を残さない。
契約の対象物や契約条件は詳細に規定すること。- 準拠法はどの国の法律なのか注意して交渉し、決定する。
- 紛争解決方法
- 決済通貨と決済方法、為替リスク
- 国際的なルールや条約などにより、取引条件の明確化を図ること
- 日本法で解釈するとおかしな点はないか確認すること。
- 英文法に基づくと、どのような解釈がなされるかを確認すること。
- 契約締結者に正当に契約を締結する権原があることを確認すること。
- 契約締結や海外送金について何か制限がないか、政府許可などが必要でないかを確認すること。
- 契約締結に当たって、取締役会決議といった承認が必要ないかどうか確認すること。
以上については、国際契約において最低限確認しておきましょう。
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